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堤防からのマグロ釣りガイド|場所・タックルと規制を解説

堤防からマグロを釣り上げることに期待が膨らむ一方で「本当にそんなことが可能なのか?」「特別な場所でしか無理なのでは?」「そもそも釣っても良い魚なのか?」といった数多くの疑問が浮かぶのも事実です。

結論から申し上げると、堤防からのマグロ釣りは、単なる夢物語ではありません。しかし、それは極めて限定された場所、時期、そして条件が奇跡的に重なった時にのみ成立する、最高難度の挑戦です。この記事では、その夢に挑むための現実的な場所、専用タックル、そして最も重要な「ルール」について、正確な情報に基づいて徹底的に解説します。これは、全ての挑戦者のための、信頼できる唯一のガイドブックです。

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堤防からマグロは本当に釣れるのか?

多くの釣り人が抱くこの疑問に対する答えは、「極めて稀ですが、特定の条件下で可能」です。一般的な漁港の堤防で偶然マグロが釣れることは、まずあり得ません。堤防からマグロを狙うことが成立するためには、以下の3つの絶対条件が必要です。

  1. 黒潮の接岸: マグロやそのエサとなる小魚を運んでくる巨大な暖流「黒潮」が、岸のすぐ近くを流れていること。
  2. 外洋に面した水深のある堤防: 堤防の先端からすぐの場所が、水深数十メートルにもなるような、外洋の性質を色濃く持つ場所であること。
  3. ベイト(エサとなる小魚)の回遊: マグロのエサとなるイワシやキビナゴなどの群れが、堤防の周りに大量に接岸していること。

これらの条件を満たす場所は、日本広しといえども極めて限られています。だからこそ、堤防マグロは特別な挑戦となるのです。

日本のショアマグロ聖地:伊豆諸島

前述の条件を満たし、堤防からのマグロ(ショアマグロ)の実績が報告されているエリア。それが、東京から南に浮かぶ伊豆諸島です。黒潮のど真ん中に位置するこれらの島々では、夢が現実になる可能性があります。

式根島・新島エリア:キハダマグロの実績多数

近年、ショアマグロのフィールドとして最も注目を集めているのが式根島や隣接する新島です。特に春先(3月〜5月頃)、イワシの巨大な群れが接岸すると、それを捕食する20kg級のキハダマグロが堤防から射程圏内に入ることがあります。釣り人同士が協力して巨大なマグロを取り込む光景は、このエリアならではのものです。

八丈島:キハダ・カンパチの大型が狙える

古くから大物釣りのメッカとして知られる八丈島も、堤防からキハダマグロが狙える場所の一つです。ここでは、ルアーフィッシングだけでなく、現地で釣ったムロアジをエサにした「泳がせ釣り」で、30kgを超えるキハダマグロや大型のカンパチが堤防から釣り上げられています。

神津島:黒潮の恩恵を受けるポテンシャルの高い島

伊豆諸島の中でも特に黒潮の恩恵を受けやすい神津島も、ショアマグロの有力な候補地です。キハダマグロを中心に、大型回遊魚が堤防から狙えるポテンシャルを秘めています。

【最重要】堤防の釣りも対象!クロマグロ遊漁のルール

この釣りに挑戦する上で、タックルや技術論の前に、**絶対に理解し遵守しなければならないのが「クロマグロの遊漁に関するルール」**です。これは水産庁によって定められており、船釣りだけでなく、堤防からの釣りを含む全ての釣り人が対象となります。

30kg未満のクロマグロ(メジマグロ)は採捕禁止

堤防から釣れる可能性のある小型のクロマグロ(通称メジマグロ、ヨコワ)は、30kg未満の場合、年間を通じて採捕(持ち帰り)が禁止されています。万が一釣れてしまった場合は、サイズを問わず、魚へのダメージを最小限に抑えて速やかにリリース(再放流)する義務があります。

リアルタイムで発動される「採捕禁止命令」

クロマグロの遊漁は、月間の採捕量に上限が設けられています(2025年度は月間5トン)。この上限に達する見込みとなった場合、水産庁から**「採捕禁止命令」**が発動され、その月の残りの期間は全国でクロマグロを釣ること自体(キャッチ&リリースを含む)が禁止されます。釣行前には、必ず水産庁のウェブサイト「クロマグロ遊漁の部屋」で最新情報を確認してください。

違反した場合の重い罰則

これらの規制に違反した場合、「1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金」といった重い罰則が科される可能性があります。「知らなかった」では済まされない、極めて重要なルールです。

堤防マグロを獲るための専用タックル

堤防からマグロを狙うには、普段の堤防釣りとは次元の違う、強靭なタックルが必須です。

ロッド:10ft前後のショアジギング・プラッギングロッド

100gを超えるような大型のルアーをフルキャストでき、20kgを超える魚の強烈な引きを止められる、H(ヘビー)クラス以上のショアジギングロッドやプラッギングロッドが必要です。

リール:8000番〜14000番の大型スピニングリール

PEラインの4号〜6号を300m以上巻ける、大型のスピニングリールが基準となります。高速で泳ぐマグロに対応するための巻き取りスピード(ハイギアモデル)と、強烈な引きに耐える強力なドラグ性能が求められます。

ラインシステム:PE4号〜6号+100lb以上のリーダー

メインラインとなるPEラインは4号〜6号が標準。その先に、根ズレやマグロの歯からラインを守るため、100lb(ポンド)以上の極太ショックリーダーを1.5m〜2mほど、FGノットなどの確実な方法で結束します。

ルアー:大型のダイビングペンシルやポッパー

船からのキャスティングゲームと同様に、160mm〜220mmクラスの大型トップウォータープラグが主体となります。ベイトが小さい場合は、ヘビーシンキングミノーなども有効です。

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ショアマグロの基本的な釣り方と注意点

ショアマグロの基本的な釣り方や注意点を解説します。

回遊待ちの釣り:潮とベイトが鍵

ショアからのマグロ釣りは、魚の回遊をひたすら待つ、忍耐の釣りです。潮がよく動く時間帯や、ベイトの群れが接岸するタイミングを逃さず、キャストを続ける集中力が求められます。ナブラ(魚の群れが水面でベイトを捕食する現象)が起これば最大のチャンスです。

ヒット後のファイトと取り込みの困難さ

万が一ヒットしても、そこからが本当の戦いです。マグロは根に向かって突進するため、強引なファイトでそれを止めなければなりません。さらに、足場の高い堤防から20kgを超える魚を取り込むのは一人ではほぼ不可能です。周囲の釣り人と協力するためのコミュニケーションと、大型のギャフやタモ網が必須となります。

安全とマナー:周囲への配慮が不可欠

ショアマグロが狙える堤防は、限られたスペースに多くの釣り人が集まります。フルキャストする際は、必ず後方や周囲の安全を確認してください。また、ヒットした際は他の釣り人の仕掛けを巻き込むこともあります。常に「お互い様」の精神で、譲り合い、協力し合うマナーが求められます。

マグロの堤防釣りに関するFAQ

Q1. 「マグロを釣ったらダメ」というのは本当ですか?

A1. 全てのマグロがダメというわけではありませんが、クロマグロ(メジマグロを含む)には、堤防からの釣りも対象となる厳しい規制があります。 特に30kg未満の小型魚は年間を通じて持ち帰りが禁止されており、リリースする義務があります。釣行前には必ず水産庁の最新情報を確認してください。キハダマグロには現在、同様の国の規制はありません。

Q2. 関東近郊の普通の堤防でもマグロは釣れますか?

A2. 残念ながら、伊豆諸島などの離島を除き、関東近郊(千葉、神奈川など)の一般的な堤防でマグロが釣れる可能性は、ほぼゼロに近いと言えます。マグロが接岸するための、水深や海流といった条件が整っていないためです。

Q3. 八丈島や式根島のベストシーズンはいつですか?

A3. 式根島では、キハダマグロのエサとなるイワシが接岸する春(3月〜5月頃)が最も実績が高いシーズンです。八丈島では、水温が高い夏から秋にかけてがキハダマグロやカンパチの好機とされています。ただし、年によってベイトの回遊状況は大きく変動します。

Q4. 初心者でも堤防からマグロを狙えますか?

A4. 率直に言って、非常に困難です。100g以上のルアーを投げ続ける体力、特殊なタックルを扱う技術、ヒット後の強烈なファイトへの対応など、あらゆる面で高いレベルが要求されます。まずは船からマグロ釣りを経験し、十分な知識と技術を身につけてから挑戦することを強くお勧めします。

Q5. 釣れたクロマグロ(メジマグロ)がリリース前に死んでしまったら?

A5. 規制上、30kg未満のクロマグロは、たとえ死んでしまっても持ち帰ることはできません。これは船釣りでも堤防でも同じです。意図せず死なせてしまった場合でも、採捕(キープ)すると規制違反と見なされるため、海に返す必要があります。

まとめ

「堤防からマグロを釣る」という挑戦は、単に難しいだけでなく、多くの知識と準備、そして何よりもルールを遵守する強い意志が求められる、非常に専門的な釣りです。この記事で解説した要点を、挑戦の前に必ず再確認してください。

  1. 挑戦できる場所は、伊豆諸島など極めて限定される。
  2. クロマグロ(メジマグロ)には、堤防も対象となる厳しい規制がある。
  3. タックルは、陸っぱり最強クラスの専用品が必須となる。
  4. 安全確保と周囲への配慮、協力体制が不可欠である。

これらの現実を理解した上で、それでもなお夢に挑むのであれば、その一投一投は、あなたの釣り人生において、かけがえのない経験となるでしょう。正しい知識とマナーを携え、責任ある挑戦をしてください。

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