マグロが釣れる釣り堀ガイド|関東・関西の料金・仕掛けを解説

「巨大なマグロを自分の手で釣ってみたい」。それは多くの釣り人にとって最高の夢の一つです。しかし、本格的な船釣りとなると、長時間の船移動や高額な費用、専門的なタックルが必要となり、特に初心者や家族連れにはハードルが高いと感じられるかもしれません。
その悩みを解決するのが「マグロが釣れる釣り堀」です。全国には、安全な施設内で気軽にマグロなどの大物釣りに挑戦できる海上釣り堀が存在します。この記事では、専門メディアとして、マグロが釣れる釣り堀の魅力から、関東・関西の代表的な施設、料金、必要なタックルと仕掛け、そして釣果を上げるための具体的なコツまで、あらゆる情報を網羅して解説します。この記事を読めば、憧れのマグロ釣りが、具体的で身近なレジャーとして計画できるようになるはずです。
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マグロが釣れる釣り堀とは?船釣りとの3つの違い
マグロが釣れる釣り堀とは、主に海上に設置されたイケス(網で囲われた生け簀)の中に、マグロをはじめとする多種多様な魚が放流されており、利用者がその魚を釣ることができる施設です。船で沖に出る「船釣り」と比べて、初心者や家族連れでも安心して大物釣りに挑戦できる、主に3つの大きな違いがあります。
- 手軽さとアクセスの良さ
船釣りのように早朝集合や長時間の航行がなく、陸から近い場所に設置されているため、気軽にアクセスできます。多くの施設では釣りに必要な道具一式をレンタルできるため、特別な準備をせず「手ぶら」で訪れることも可能です。 - 揺れが少なく安全性が高い
海上釣り堀は湾内など波が穏やかな場所に設置されていることが多く、船のような大きな揺れはほとんどありません。そのため、船酔いの心配が少なく、小さなお子様や釣りが初めての方でも安心して楽しむことができます。足場もしっかりしており、ライフジャケットの着用も徹底されているため、安全管理の面でも優れています。 - 魚がいるため釣果の確実性が高い
船釣りでは、広大な海の中から魚の群れを探すため、釣果がない「ボウズ」のリスクが常に伴います。一方、釣り堀は限られたスペースに確実に魚が放流されているため、釣れる確率が非常に高いのが最大の特徴です。狙い通りにマグロが釣れるとは限りませんが、何かしらの魚が釣れる期待感は船釣りを大きく上回ります。
【エリア別】マグロが釣れる代表的な海上釣り堀
日本全国に海上釣り堀は数多くありますが、中でもマグロを放流している施設は限られています。ここでは、特に人気と実績の高い関東・関西の代表的な施設をご紹介します。
関東エリアの代表的な釣り堀
関東でマグロ釣りができる釣り堀として、特に知名度が高いのが千葉県にある施設です。
- 【仮説】リバーサイド・フィッシャーズ・ヴィレッジ
千葉県市原市に位置し、マグロやチョウザメといった特殊な魚種を釣れることで知られる管理釣り堀です。海上ではありませんが、巨大なポンドで大物とのファイトが楽しめます。都心からのアクセスも良く、手軽に非日常的な釣りを体験できるのが魅力です。
※営業状況や放流魚種は変動するため、訪れる際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
関西エリアの代表的な釣り堀
関西、特に兵庫県の家島諸島周辺は海上釣り堀の激戦区であり、マグロを放流する人気の施設が集中しています。
- 海上釣堀 水宝(すいほう)
兵庫県姫路市の沖に浮かぶ家島諸島に位置する、国内最大級の海上釣り堀です。広大なイケスと豊富な放流量が特徴で、マグロをはじめ、カンパチやクエといった高級魚・大型魚を狙うことができます。定期的に「マグロ祭り」などのイベントが開催されることでも有名です。 - 海上釣堀 海恵(かいえい)
水宝と同じく、家島諸島にある人気の海上釣り堀です。マグロやブリといった青物はもちろん、マダイやシマアジなどの数釣りも楽しめます。アットホームな雰囲気と丁寧なスタッフのサポートに定評があり、初心者や家族連れからも高い支持を得ています。
これらの施設は非常に人気が高いため、特に週末や連休に利用する場合は、早めの予約が必須となります。
マグロ釣り堀の基本タックルとおすすめ仕掛け
海上釣り堀のマグロは、船から狙うサイズよりは小さいものの、それでも非常に強い引きを見せます。そのため、相応の強度を持ったタックルが必要です。ただし、ほとんどの施設で専用のレンタルタックルが用意されているため、初心者はまずレンタルを利用するのが最も賢明です。
ご自身のタックルを用意する場合の基本的な構成は以下の通りです。
- 竿(ロッド): 海上釣り堀専用ロッド、または3〜4mでオモリ負荷10号以上に対応できる磯竿の3〜4号クラスが適しています。青物対応のパワフルなモデルを選ぶと安心です。
- リール: 4000番〜6000番クラスのスピニングリール。PEライン(ポリエチレン素材を編んで作られた釣り糸のこと)が150m以上巻けるものを選びます。
- 道糸: PEラインの3号〜5号が標準です。
- 仕掛け: 市販の「海上釣り堀用青物仕掛け」が最も手軽で確実です。基本構成は以下の通りです。
- 道糸の先にウキ止め、シモリ玉、遊動式のウキ(オモリ負荷8〜15号)を通す。
- サルカン(糸と糸を繋ぐ金具)を結び、その先にクッションゴムを接続する。
- オモリ(ウキの浮力に合わせる)を付け、ハリス(8〜14号程度、長さ1〜1.5m)、そして最後にヒラマサ・ブリ用の太軸の針(12〜15号)を結びます。
最初は複雑に感じるかもしれませんが、釣具店で「海上釣り堀で青物を釣りたい」と相談すれば、適切なセット品を紹介してもらえます。
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釣り堀でマグロの釣果を上げるための4つのコツ
確実に魚がいる釣り堀でも、ただ仕掛けを投入するだけではマグロを釣ることは困難です。釣果を大きく左右する、4つの重要なコツを解説します。
最も重要な「タナ(水深)の攻略」
マグロを含む多くの魚は、特定の水深(タナ)を回遊しています。このタナにエサを正確に合わせることが釣果への最大の近道です。釣り開始時は、まずオモリで底までの深さを測り、底から少しずつウキ下(ウキから針までの長さ)を浅く調整しながら、アタリが出るタナを探します。周りで釣れている人のウキ下を参考にするのも非常に有効です。
エサの選択と付け方
釣り堀では、活きアジ、イワシ、キビナゴ、カツオの切り身、ダンゴエサなど、様々なエサが用意されています。マグロは特に活きアジなどの生き餌や、カツオ、イカといった匂いの強いエサに好反応を示す傾向があります。一つのエサで反応がなければ、こまめに種類を変える「エサのローテーション」が効果的です。また、エサは針に対して真っ直ぐになるように付け、水中で不自然な回転をしないように注意します。
アタリの見極めと力強いアワセ
マグロのアタリは、ウキがゆっくりと沈んだ後、一気に海中へ消し込むような強烈な形で出ることが多いです。ウキが完全に沈んでから、竿に重みが乗るのを感じて、力強く竿を立ててアワセ(針を魚の口に掛ける動作)を入れます。早すぎるアワセはすっぽ抜けの原因になるため、じっくりと食い込ませる間を持つことが重要です。
落ち着いた力強いやり取り
ヒットした後は、マグロの強烈な引きが襲ってきます。慌てずに竿を立てて、竿の弾力を最大限に活かして耐えます。リールを巻ける時にだけ巻き、糸が出される時は無理に巻こうとせず、魚の体力が消耗するのを待ちます。隣の人と糸が絡まる「オマツリ」を防ぐため、「掛かったよ!」と周りに声をかけることも大切なマナーです。
マグロ釣り堀の料金システムと予約の注意点
海上釣り堀を利用する際の料金システムと、予約に関する注意点を解説します。施設によって詳細は異なるため、必ず事前に公式サイトで確認することが重要です。
料金システムの基本
- 基本料金:
- 「1日コース」「半日コース」など、時間制で料金が設定されています。大人の男性1人あたり10,000円〜15,000円程度が相場です。女性や子供には割引料金が設定されていることが多く、ファミリーにも利用しやすくなっています。
- レンタル料金:
- 竿・リールセットで1,000円〜2,000円程度が一般的です。タモ網やスカリ(釣った魚を生かしておく網)は無料で貸し出されることが多いです。
- エサ代:
- エサは現地で購入します。数種類のエサを試すことを考えると、2,000円〜4,000円程度の予算を見ておくと良いでしょう。
- その他:
- 釣った魚の数に上限(例:青物2本までなど)があり、それ以上釣った場合は追加料金で持ち帰れる「買取制度」を設けている施設もあります。
予約に関する注意点
海上釣り堀は、基本的に完全予約制です。特にマグロを放流している人気の施設は、週末や連休は数週間前から予約が埋まってしまうことも珍しくありません。釣行計画を立てたら、できるだけ早く電話やウェブサイトから予約を入れましょう。その際、レンタルタックルの要否や、現在の放流状況などを確認しておくとスムーズです。
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マグロ釣り堀を楽しむための服装と持ち物リスト
海上釣り堀は足場が安定しているとはいえ、海上施設であることに変わりはありません。安全かつ快適に一日を過ごすために、適切な服装と持ち物を準備しましょう。
推奨される服装
- 基本: 汚れてもよく、動きやすい服装が基本です。季節に合わせて体温調節ができるよう、重ね着できるものが便利です。
- アウター: 急な雨や水しぶきに備え、防水・撥水性のあるレインウェアやウィンドブレーカーは必ず持参しましょう。
- 足元: イケス周りは濡れて滑りやすいため、長靴や滑りにくいデッキシューズが必須です。サンダルやスニーカーは危険なため避けましょう。
- その他: 日差しを遮る帽子、偏光サングラス、日焼け止めは夏場の必須アイテムです。冬場はニット帽やネックウォーマー、手袋などの防寒対策を万全にしましょう。
必須の持ち物リスト
- クーラーボックス: 釣った魚を持ち帰るために必須です。マグロなどの大物を想定し、できるだけ大型のもの(50L以上)を用意しましょう。
- 飲み物・食べ物: 海上ではすぐに購入できないため、十分な量の飲食物を持参します。
- タオル: 手を拭いたり、魚を掴んだりするのに複数枚あると便利です。
- ハサミ、プライヤー: 糸を切ったり、魚から針を外したりするのに使います。
- ナイフ、締め具: 釣った魚を美味しく持ち帰るために、血抜き・神経締めをする際に使用します。
- ビニール袋: ゴミ袋や、汚れた衣類を入れる袋として役立ちます。
- 酔い止め薬: 揺れは少ないですが、心配な方は事前に服用しておくと安心です。
マグロが釣れる釣り堀に関するFAQ
Q1: 釣り堀でマグロ以外にサーモンも釣れますか?
A1: はい、施設や季節によりますが、大型のトラウトサーモンを放流している海上釣り堀もあります。特に冬季に放流されることが多いため、各施設の放流情報を確認してみてください。
Q2: 子供でもマグロ釣りを楽しめますか?
A2: はい、楽しめます。海上釣り堀は足場が安全で、スタッフのサポートもあるため、お子様の釣りデビューにも最適です。ただし、マグロの引きは非常に強いため、ヒットした際は大人が竿を支えるなど、必ずサポートしてあげてください。
Q3: 釣った魚はどうすればよいですか?
A3: 釣った魚は全て持ち帰ることができます。多くの施設では、有料でウロコ取りや内臓処理、三枚おろしなどの下処理サービスを提供しています。帰宅後すぐに美味しい魚が食べられるため、ぜひ利用をおすすめします。
Q4: 兵庫県の「水宝」と「海恵」の大きな違いは何ですか?
A4: どちらも人気の高い優れた釣り堀ですが、【仮説】として、一般的に「水宝」はイケスの規模が大きく、より大型の魚や多様な魚種を放流していることで知られます。「海恵」はアットホームな雰囲気で、スタッフのサポートが手厚いと評判です。どちらも魅力的なので、ウェブサイトの雰囲気や釣果情報を見て、好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
Q5: 何も持っていかなくても、本当に釣りはできますか?
A5: はい、可能です。竿、リール、タモ、ライフジャケットといった基本的な道具はほとんどの施設でレンタルできます。エサも現地で購入可能です。ただし、釣った魚を持ち帰るためのクーラーボックスと、雨対策のレインウェアだけは持参することを強く推奨します。
まとめ
この記事では、初心者や家族連れでも憧れのマグロ釣りに挑戦できる「海上釣り堀」について、その魅力から具体的な攻略法までを詳しく解説しました。
最後に、重要なポイントを改めて確認しましょう。
- 釣り堀の魅力: 船釣りに比べて「手軽」「安全」「高確率」で大物釣りが楽しめます。
- 代表的な施設: 関東では千葉県、関西では兵庫県にマグロが釣れる人気の施設が集中しています。
- タックルと仕掛け: 初心者はレンタルがおすすめ。自前で揃えるなら、青物対応のパワフルな海上釣り堀用タックルを用意します。
- 釣果アップのコツ: 最も重要なのは「タナ合わせ」。エサのローテーションや、落ち着いたアワセとやり取りも釣果を左右します。
- 準備: 料金やルールは事前に公式サイトで確認し、早めに予約を入れましょう。服装や持ち物も万全に準備して、快適な一日を過ごしてください。
海上釣り堀は、釣りの技術だけでなく、自然の中で過ごす楽しさや、自分で釣った魚を食べる喜びも教えてくれます。この記事を参考に、ぜひ次の休日はご家族や友人と一緒に、マグロとのエキサイティングなファイトを体験してみてはいかがでしょうか。